研究指導教員が語る、
それぞれの研究内容から、
研究指導の特徴、
そしてプライベートまで――。

研究指導教員が語る、
それぞれの研究内容から、



研究指導の特徴、
そしてプライベートまで――。


早稲田大学大学院 教育学研究科の研究指導とは? どんな教員がいて、どんなことを教えてくれるの? そんな疑問に答えるために、英語教育専攻の修士・博士論文の指導教員が座談会((第1回目/全2回)を行いました。

それぞれの研究内容や興味のある分野、院生の研究指導の内容や方針、院生の研究テーマ、さらに自分自身の院生時代やプライベートなど、普段はなかなか聞けない興味深い話も満載! 大学院への進学に興味・関心がある皆さんの参考にしてください。

参加者(順不同)

折井麻美子
(司会進行)

英語教育

応用言語学:
第二言語ライティング論

応用言語学:


学習者心理要因

応用言語学:言語テスト

折井麻美子
(司会進行)

英語教育

佐々木みゆき

応用言語学:
第二言語ライティング論

マキュワン麻哉

応用言語学:


学習者心理要因

澤木泰代

応用言語学:言語テスト

折井 初めに、皆さんの研究内容や興味のある分野について教えてください。

佐々木 私は「ひとはどうやって第二の言語を書けるようになるのか」ということにずっと興味があって、その発達などを研究してきました。

最近の研究テーマの1つは、「世界中で英語を使うひとの7割以上が、英語を母語としていない」という現状を受けて、「“英語が母語ではないひと”が書いた作文を“英語が母語ではないひと”が読む際に、何が理解の妨げになるか」というものです。たとえば「文法の誤りが一番妨げになっているのか」、それとも「文の配列に論理的一貫性がないとむずかしいのか」といったことを研究しています。

マキュワン 私の研究分野は第二言語習得のなかでも「学習者要因」や「個人差要因」とも呼ばれるもので、そのなかでも特に“動機づけ”に興味を持っています。

動機づけのなかにもいろいろなテーマがあって、「やる気を出す」などポジティブな状態にもすごく興味がありますが、最近は「学習に対する燃え尽き」といったネガティブな状態がなぜ起こるのかにも興味を持っています。

エモーション・レギュレーションなど、エモーションに興味があるので、最近はネガティブ・ポジティブの両方を研究している形です。

オオガ‐ボールドウィン 私もマキュワン先生と同じように動機づけを研究しています。そして、小学校英語をメインに中学・高校・大学で英語教育も行いながら、応用的に小学校英語の音韻や文字の認識を研究していて、最近は音韻や文字の認識の開発のためのソフトを作成しています。

澤木 私は、応用言語学のなかでも、第二言語の力を測ったり評価したりする“言語テスト”を専門としています。「大規模な言語テストが、果たして機能しているのか」という妥当性研究を長い間行っていて、現在はそれに加えて学習や指導につながる評価にもすごく興味を持っています。

また、私自身の博士論文のテーマでしたが、「いつかやりたい」と思いながらずっとできていなかったことにも取り組んでいます。それは、“英文を読んで内容を要約する力”に関する研究で、評価や指導、フィードバックの作成、日本人学生の要約力の強みや弱みなどを調べています。

折井 ありがとうございます。同じ応用言語学や英語教育といっても、皆さんそれぞれの分野がありますね。

私は英語教育を専門としており、特にスピーキング、発音、リスニングの指導法に関する研究に取り組んでいます。2000年代には、大学生を対象に発音とリスニングの効果的な指導法について実証的な研究を行い、それを基に教材の開発も進めました。また、2012年からの10年間、杉並区の教育委員を務めた経験を活かし、ここ最近は、小中学校における「発表活動」や「やりとり」指導に関する共同研究を行っています。

さらに、直近の10年間では文部科学省の科学研究費補助金(科研費)を得ながら、指導者向けの教員研修の開発も並行して研究テーマとしています。

折井 次に、院生の研究指導の内容や方針、工夫、また院生さんの研究テーマなどを教えてください。

オオガ‐ボールドウィン 学習者要因や「小中学校の生徒は、どのようなモチベーションが発達しているのか」ということ、文字・音の認識などを研究指導しています。

マキュワン 私が指導している院生さんの多くは研究テーマが「動機づけ」の研究の範囲内に収まっているので、たとえば共同研究ができるようにリサーチプロジェクトを立ち上げたりなど、グループで動くこともあります。

折井 理系の研究室のような感じですか?

マキュワン 進め方は似ているかもしれないですね。博士論文を書くための個人でのリサーチプロジェクト以外にもブックチャプターのプロジェクトや論文誌に一緒に出すためのプロジェクトなどを計画しています。

佐々木 私がいま指導しているD2の学生さんは「日本の研究競争力を上げたい」「どうすれば、日本人の英語論文の国際発信力を高められるか」という第二言語ライティング指導の効果について取り組んでいます。

彼女は、「なんとかして、日本人の、特に理系の方々のアカデミックライティング力を向上させたい。なぜなら、自然科学分野では、ノーベル賞を受賞する研究者の多くが英語の母語話者か、英語圏で勉強したひとだが、日本人研究者が体系的に書き方を学べば、素晴らしい研究成果をもっと効果的に伝えられるはず」という信念を持って、“ジャンル理論”という現在注目を浴びている理論に基づいた教育法に取り組んでいます。熱意のある学生さんが楽しそうに実験などを準備している姿を見ると、私自身も励まされます。

指導のときは、彼女自身のテーマに関連づけて、「どうすれば、自分の研究成果を世界中のひとに読んでもらえるか」という彼女自身の発信力も高められるような書き方について、よく話し合っています。

折井 私は、小・中・高の学習指導要領で大きな柱となっている“主体的・対話的で深い学び”という指針に心から共感していて、そうでありたいなと思っています。

大学院ですから、院生が主体的に自分の研究を進めていかなければいけませんし、1つ1つの判断を院生自身で行っていただくことがもちろん大事なのですが、一方で“対話の持つ力”というのも信じているんですね。ですから、院生さんが書いた原稿を添削するというよりは、考えに詰まったときや方向性を探していく際にブレインストーミングを一緒に行うことを重視して指導に当たっています。

現在、数名の院生・元院生と発表指導に関する共同プロジェクトをしていますが、そのときもお互いを尊重し合い理解しようとする姿勢を大事にしたいと考えています。

澤木 私のゼミは言語テストを中心としたテーマで、普段から輪読や研究手法を一緒に学ぶ勉強会などを行って「研究指導全体で知識を積み上げていく」ことを常に意識しています。

また、研究指導の所属メンバーでの共同研究も継続的にやっていまして、現在は早稲田大学の全学教育英語プログラムで2023年度から運用している“AIを活用した対話型の英語スピーキングテスト”の波及効果に関する研究を行っています。

オオガ‐ボールドウィン 私の研究指導の方法も澤木先生と似ていて、しかもマキュワン先生のゼミと研究分野もすごく似ているので、お互いの院生同士が論文を一緒に書いたり、輪読会を行ったりしています。

マキュワン そのうち、一緒に研究するなど、インタラクションが始まるだろうと思っています。

オオガ‐ボールドウィン そうですね。私も、いつも院生に勧めています。

折井 「自分の研究指導の先生だけに学ぶ」というよりも、院生たちがいろいろなところに行ったり来たりしているのが、本学の英語教育専攻の良さですよね。教員側も「このことは○○先生が詳しいから、教えてもらってくれば?」という感じで、それぞれの垣根が低いところが私はすごく好きです。

一同 そうですね。

折井 ほかに、「こんな研究テーマでやっている」という院生さんはいますか?

澤木 私のところに、テストの作成やテスト結果の解釈、さらにその結果を自分が理解して学習に役立てるために必要な“アセスメント・リテラシー”を研究している院生さんがいます。

ほかに、“リスニングをもとにした要約”というテーマで「どうすれば、レクチャーリスニングのスキルを向上できるのか」という研究をしているひとや、「テストのスコアレポートを、どのくらい学習者が実際に理解しているのか」ということを分析・研究しているひともいます。

折井 私のところはスピーキングやリスニングなどの英語教育がテーマなので、英語教員を目指す方や現職の教員が多くて、やり取り指導や発表指導、発音指導、リスニングなどを研究している院生さんが多いです。

また最近は、文法指導とライティング指導を組み合わせた研究に取り組む方も担当しています。主体的・対話的な学びの重要性が高まるにつれて、4技能5領域の1つ1つの区分があまり見えなくなってきて統合型学習が進むなかで、研究テーマも複合的な“合わせ技”で考えるひとがやはり多くなってきたなと感じています。

折井 ここからは、時代を遡って先生方の院生時代についてお伺いしたいと思います。オオガ先生からお願いします。

オオガ‐ボールドウィン 私は、大学院の教員として働きながら大学院に通っていました。

院進した2ヵ月後に3人目の子どもが生まれて、同時に小学校の英語学習に関する実際の授業の撮影や生徒へのアンケート作成、統計分析などを行う長期的な大型プロジェクトにも携わっていたので、ものすごく忙しかったですね(笑)。

澤木 私のキャリアのスタートは中学校の教員で、「より良い教員になりたい」と思って修士に行きました。英語教授法を学べるアメリカの大学院に入って、2年目に履修した授業で言語テストに魅せられて、その研究の道をまっしぐらに来ました。

そして、博士課程3年目の終わりに1人目の子どもを出産しまして、最後の2年間は子どもを抱えつつの博論執筆で、わけがわからない状態でした(笑)。3日連続徹夜など、本当に寝る間もない怒涛の日々でしたが、周囲の皆さんが支えてくださって無事に終わることができて本当によかったと思っています。

マキュワン 私は大学院生をしながら非常勤で中学校の英語教員もしていました。右も左もわからない手探り状態だったのですが、だからこそ、いい研究テーマが見つかったのかもしれません。実際の英語教育の現場を見ていて、「自分は何がしたいのか」と考えたときに、動機づけというものが思い浮かびました。

折井 生活面で印象に残っていることはありますか?

マキュワン それが全然ないんです(笑)。日中は中学校で英語を教えて、それが無いときは、ひたすら論文を読んだり書いたりしていたことは覚えていますが……。

折井 ハードワーキングな方々が続いていますが、佐々木先生はいかがですか?

佐々木 私は、大学からその大学の大学院に進学し、そこで教授に勧められて応募した奨学金に運よく合格したことで、アメリカの大学院に行けることになりました。そのときに受講した「生まれたばかりの子どもが、どのように言葉を習得していくのか」という第一言語習得の授業が特に面白く、言語習得に強く興味を持ち、もっと深く学びたいと思うようになりました。

修士課程を修了したら日本に帰ろうと思っていたのですが、大学がある地域がとても寒かったので、「暖かい地域にある大学で博士号が取れて、働きながら奨学金がもらえたらいいな」と思い、いくつか探してみました。そのなかで、「日本語を教えてくれるなら奨学金を出す」と言ってくれたカリフォルニア大学の大学院に進学することにしました。

折井 あ、それなら一年中暖かめ……。行ってみてどうでしたか?

佐々木 行ってみたら、自分と同じ年に入学した5人があまりにも“できる”ひとたちばかりで……。最初は少し引け目を感じていましたが、みんな人柄も良くて、授業の合間にはお互いにサプライズの誕生日会を開いたりして、楽しく勉強することができました。みんな、いまでもずっと良い友だちです。

また、「新しいことを勉強しよう!」という意識が強い大学だったので、みんなで医学部に行って脳解剖の授業を受けたりもしました。

澤木 それはとても貴重な経験ですね。

佐々木 はい。ロールモデルになるような人が同級生に多くて、研究もできるし、人としても本当に尊敬できる人たちでした。自分の人生の早い段階で、そういう人たちに出会えたのは本当に幸運だったと思います。本校の先生方にも「自分のロールモデルにしたい!」と思える方が多くて、当時と雰囲気が似ているなと感じています。

折井 それは、うれしいことです!

佐々木 本専攻の院生さんも、色々なStudy Groupを作って、分野を越えて仲良く勉強し合っている様子を見ていると、自分の大学院時代を思い出します。

オオガ‐ボールドウィン うちの専攻のいいところですね。

折井 私も院でいろいろと勉強会をしていたのが懐かしいです。私は大学卒業の半年後にイギリスのダーラム大学に留学して、当時は英語教育というよりは理論寄りで、第二音韻習得が専門でした。

ダーラムは中世の趣が色濃く残っている町で、蛇行する川に挟まれた小高い場所にお城と大聖堂があって、ハリーポッターの世界そのもので、実際に撮影にも使われたらしいです。

そんな田舎の大学街で過ごしていて、指導教員の先生がアメリカ人の女性で、ご夫婦ともにかわいがっていただきました。食事によく誘っていただいたり、クリスマス休暇で二人がアメリカに帰る間にキャットシッターとして泊り込んだりしていました。

日本語学科で授業を担当することで授業料の一部免除があったので数年間やっていたのですが、こちらもお友だちができて楽しかったです。よいリフレッシュになりました。当時は研究・研究の毎日でしたが、その分楽しかったことを鮮明に覚えています。

また、20年来の共同研究者で、かつ生涯の友と出会った場所でもあるので、ダーラムは私にとって第二の故郷だと思っています。

折井 ここまでは研究に関連することを中心にお伺いしてきましたが、お仕事以外で興味を持っていらっしゃることや楽しまれていること、趣味などをお聞かせください。

澤木 私は音楽がすごく好きで、なかでも気持ちが落ち着くのでクラシックが好きです。小さい頃にピアノを弾いていたのでピアノ曲が好きで、自分でもまた弾きたいとずっと思っているのですが、時間がないことを理由にして延び延びになっています……。なので、老後の楽しみですね(笑)。

オオガ‐ボールドウィン 私はトライアスロンもやっていますし、家で料理をすることも好きですし、いろいろなことをしています。いまは、料理を食べるために、トライアスロンをやっています(笑)。

折井 トライアスロンで、よい成績を残していらっしゃるんですよね?

オオガ‐ボールドウィン まあ、そうですね。2022年度と23年度は、年代別カテゴリーで日本一になりました。

一同 それはすごい! 素晴らしいですね。

マキュワン 私は仕事以外の時間は子どもが小学校2年生でまだまだ手がかかる時期なので、大半の時間を子どもといることに費やしています。それも、もちろん幸せな時間なのですが(笑)。

そのなかで、私は普段、教育の現場にいるわけですが、「自分の子どもに対して何かを教えるのと、学生さんなど他の方に教えるのは全然ちがうな」と改めて感じています。

一同 よくわかります。たしかに、そうですね。

マキュワン “子育てあるある”だと思いますが、自分の子どものほうが遥かにむずかしいと感じるんですよね。自分のエモーション・レギュレーションが崩れるといいますか(笑)。ですから、「世の中の親御さんはすごいな」と思いながらいつも学生さんを見させていただいています。

佐々木 私は「子育てしていたときは楽しかったな」と、あとになって思いました。「あれが私のゴールデンエイジだったかな」って(笑)。

私自身が子どもだった頃は、両親が共働きだったので、「留守番しているときは、これでも見ていなさい」と、メトロポリタン美術館やプラド美術館などの画集をたくさん買ってくれました。ベビーシッター代わりですね。でも、ひとりで画集を見ているのがとても楽しくて、時間が経つのを忘れるほどでした。

そして、いろいろな時代の、いろいろな種類の絵が大好きになりました。大人になったいまも、旅行や学会に行くと現地の美術館を訪ねるのが好きで、画集で見た絵の実物があると、「フェルメールの絵って、実際はこんなに小さいんだ!」などと思いながら、遠い外国で幼なじみに会ったような気分になります。

マキュワン 素敵ですね。最近訪れたなかで印象に残った美術館はありますか?

佐々木 今年3月にデンバーに行ったとき、デンバー美術館で第2次世界大戦中に強制収容されていた日本人の方々が描いた絵が展示されていて、とても心を打たれました。「どんな場所にいても、美しいものに心を慰められた人たちがいたんだな」と思って、「あぁ、絵っていいな」と改めて感じました。

折井 歴史的な経緯も考えると感慨深いですね。私も同じく海外つながりなのですが、昔から旅行が好きで、旅行の計画を立てることも大好きです。

最近は、親族6人でペルーとボリビアに行きました。マチュピチュやナスカの地上絵はもちろん素晴らしかったのですが、鏡張りのウユニ塩湖はもう別世界でした。南米って本当に遠くて、6人分の希望を取り入れた計画づくりも大変だったんですけれど、その分、自分の世界が広がるような貴重な経験になりました。

数年前に1人で参加したエジプトの団体ツアーでは、たくさんお友だちができて、いまもSNSのグループでよくやり取りしています。旅行は、自分の日常とはちがう世界を見せてくれるし、普段とちがう人間関係がつくれることが本当に楽しくて好きです。

澤木 次はどこに行きたいですか?

折井 西洋と東洋が交わるトルコを訪れたいですね。異なる文明や宗教の影響を受けた建築や食文化に魅力を感じます。

折井 最後に、大学院に進学しようと考えている方や、研究指導を受けることに興味がある方へのメッセージをいただければと思います。まず、私からお話ししますね。

私が研究指導している方たちは現職の先生が多いので、「皆さんが現場で感じた課題について大学院で専門的に学んで、実践研究を行って、その成果を現場に還元する」というサイクルが、教育の未来をより良くしていくと私は信じています。

ですから、現職の先生方の経験を大学院でぜひ活かしていただきたいなと思っています。

佐々木 学部生の頃や社会人になってからは、英語の論文をあまり読む機会がない方も多いと思います。でも、いまはAIが日本語に翻訳してくれる時代ですし、いろいろな論文に目を通して、「これ、面白い」と思えるものを見つけてもらえたらうれしいです。

それが見つかれば、何か壁にぶつかっても「自分はこれがもともと好きだったよね」というところに立ち戻れるので、好きなトピックを見つけるためにいろいろなものを読んでほしいです。

マキュワン 私も同じような想いがあって、トピック選びで悩まれる院生さんがすごく多いので、本当に自分が好きなものは絶対に譲らないでほしいなと思っています。

そこがずれると、長い院生生活の道のりの途中で心がポキッと折れたりするので、自分が好きだと思うものは絶対残しておきながら、いろいろなものも見て自分の研究範囲を少しずつ狭めていくといいと思います。

オオガ‐ボールドウィン 私が研究で一番大切にしているのは、「第二言語心理学という分野を、科学的な視点で深く探求する」ということです。研究が量的であれ質的であれ、良い研究背景に基づいた良い研究質問が不可欠です。

また、どのような研究を行う場合でも、それが良い科学の原則に基づいていることが重要です。皆さんにも、科学的な視点や哲学的な視点を大切にしながら研究に取り組んでほしいと思います。

また、先ほどのお話にもありましたが、自分以外の方々と一緒に協同研究できることも大切だと思います。自分1人で独自に研究を行って「自分の道をつくろう」としてもなかなか前に進まない場合があるので、科学に関わるには「人とつながる」ことが大事だと考えています。

澤木 いま、オオガ先生がおっしゃられたことと重複しますが、「研究というものは、すごく壮大で孤独」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれないと思っています。

もちろん、自分の思考を突き詰めることは大切なのですが、早い段階で自分の考えを周りと共有して一緒に考えていくことで、どんどん学びが深くなるし理解も増すはずです。ですから、研究仲間などとの横のつながりやコミュニケーションを大事にして、そのなかで成長していってほしいなと思います。

折井 普段から毎日のように教員同士で仕事のお話はしていますが、今日は皆さんの研究面や研究指導への想い、プライベートなどをお伺いできて、学生さんの参考にもなればいいなと思います。どうもありがとうございました。

一同 ありがとうございました。