松永典子(NORIKO MATSUNAGA)
松永 典子
NORIKO MATSUNAGA
教授
matsunaga.noriko(at)waseda.jp
修士・博士論文指導教員
大学院授業担当教員
研究内容
イギリス文学および文化・モダニズムを専門としています。フェミニズム文学、戦争文学、チックリット、ポストフェミニズムなどを研究してきましたが、つねに問うているのは、文学(言語)がどのように社会を作っているのか、あるいは、社会が文学(言語)をどのように作っているのか、ということです。
大学院志望者へのメッセージ
私が最初に「英文学」を意識したのは、大学受験勉強の流れで読んだE. M. Forsterの‘What I Believe’でした。第二次大戦中に書かれたそのエッセイの主張は、民主主義は重要だが、その重要性は留保付きだ、というのものでした。高校生当時の私にとって民主主義を留保を認めて論じることがとても新鮮でした。そんなきっかけで、Forsterが活躍した20世紀初頭のイギリスに興味を持ち、いわゆるモダニズム作品、そして知識人らの著述、戦争文学、自伝・伝記、植民地文学を読み、そうした古典作品にも家族やジェンダーなどのプライベートな出来事がつねに記録され、記述されていることに気付くようになりました。現在、研究しているポストフェミニズムもそうした関心の延長線上にあります。
以上は私個人の経験ですが、ある一つのテーマ・作家・作品・現象を追いかけていくと、知らぬうちに研究領域が自然と拡がっていくのだと思います。
そんな経験を踏まえて、大学院進学希望者にお伝えしたいことは二つあります。一つは、研究を始めて間もない頃は何ができるか、何を論じるか、方向が定まらないかもしれません。あるいは、どんどん拡散してワクワクするかもしれません。いずれにせよ、修士・博士では、まずは一つのことを掘り下げ、その一つについて問いを発することから始めてみてください。二つ目は、誰かと自分の考えを共有することを恐れないことです。自分の考えや発見・気付きを誰かにとっても意味あるものにしていく。どちらも難しいながらも楽しい過程でもあります。ぜひトライしてみてください。
学部生へのメッセージ
英語英文学科の学生さんはすごい。帰国子女の学生さんも少なからずいらっしゃいますが、海外経験のない学生さんが多数派です。そんな皆さんが、英語と日本語のバイリンガル授業を受講し、専門分野について英語でプレゼンし、リーディングの課題をこなし、どんどん成長していく。本当にすごい! そんな皆さんと一緒に勉強することが本当に楽しいです。だから、もっとステキな課題を出してあげなくては・・・と思うわたしを許してください。